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デザインの前にまずはこれ!「NPOのためのマーケティング講座」

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デザイン以前に、もっとNPOにとって大切なこと、それはマーケティングです。

NPOマーケティングの基本がこの一冊でわかる。

今回ご紹介する一冊は「NPOのためのマーケティング講座」です。

NPOが増加し、新寄付税制など活動を支援する法制度が整うにつれて、NPO自身の事業目的を遂行する実力が問われる時代になってきた。組織のポジションを見究め、ターゲットのニーズに基づいた事業を企画・実施し、成果を測定しながら改善サイクルを確立する…など、NPOマーケティングの基本と実務を豊富な事例をもとに解説。

 

大事なのは、人やお金をどう動かすか

「NPOのためのデザイン」というタイトルのブログであるのに、
マーケティングを推すってどういうこと?と思われるかもしれません。

狭義でのデザイン、つまり、、、
見栄えを良くしたり、分かりやすい表現をしたり、
期待通りの印象を与えたり、次の行動を促したり、
といったスタイリングとしてのデザインよりもっとNPOにとって大切なことは、
マーケティングだと常日頃、感じています。

広報物のデザインは、結局のところマーケティング施策の一部分なので、
やっぱりマーケティングのことを踏まえておかないと、
効果的な広報物をつくるのは難しくなります。

きれいなチラシ、かわいいWebサイト、かっこいいロゴだけでは、
人もお金も動かせないと思っています。

NPOで活動する人にとって必読の書とも言うべき一冊といえば、
長浜洋二さんの「NPOのためのマーケティング講座」でしょう。

 

5つの視点をバランスよく伝える

この本の中で、NPOが情報発信をする際に5つの視点をバランスよく
伝えることが大切と述べています。

まだまだNPOは、その存在や役割が社会的に正しく認知されておらず、
信頼性も低いと思われているため、自団体からの情報発信だけでは、
共感や説得力に乏しいものになってしまいます。

このため、NPO、受益者、支援者、協働パートナー、第三者という5つの視点からの
情報をバランスよく盛り込むことでNPOの想いを伝えながら、
情報の客観性や信憑性を担保することができます。

なお、ここでいう第三者とは、権威や影響力のある個人や団体のことで、
学者・研究者、学会、業界団体、各種認定・認証機関、著名人、メディアなどを指します。

 
そして、制作物を開発していくためには、
まずは制作物の方向性について4つのポイントをもとに決定していく必要があり、
さらにその上で5つの項目を盛り込みながら制作を進めていく、と説いています。

4つのポイントについては以下の通りです。

(1)活動分野の分析
(2)目的の明確化
(3)ターゲットの設定
(4)競合の認識

 
その上で盛り込みたい5つの項目は以下の通りとなります。

(1)期待するターゲットの反応
(2)ターゲットが得られるベネフィット
(3)団体の理解促進
(4)団体の権威づけ
(5)行動の誘発

 
各項目の詳しい説明については、ぜひ本書をご覧ください。
上記のマーケティング的な視点ができてはじめて、ビジュアルデザインが活きてきます。
ぜひ今一度、自団体の広報物の中で足りない部分がないか、チェックしてみてください。

 

NPOにおけるマーケティングの定義

最後に、この本ではNPOにおけるマーケティングを
「社会に対する新しい価値の提供や社会課題の解決のための仕組みづくり」
と定義しています。
とても分かりやすいですよね。

では、NPOのためのデザインとは何か?
上記の定義に乗っかる形にすると、
「社会に対する新しい価値の提供や社会課題の解決のための仕組みづくり、を促進させる表現手法」。

もっとシンプルに言えば、「NPOの成果を後押しする表現手法」ではいかがでしょうか。

最後になりましたが、
日々、NPOで活動していて、あるいはNPOを支援する立場として、
デザインやマーケティングを学ぶときにおすすめな本はありますか?
あるいは、行ってよかった講座はありますでしょうか?

もしあれば、ぜひ教えて下さい。

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プロフィール

はやしだ まさひろ
林田 全弘

2006年からNPOの広報物デザインを開始。
これまでNPOや中間支援組織のパンフレットやロゴ、チラシなど、120団体350件以上の広報物を手がけてきました。

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