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デザイナー・デザイン会社への見積もりメールテンプレート(紙媒体編)

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「助成金申請に提出する見積書が必要だけど、どうやって依頼したらいいの?」
「デザイナーやデザイン会社に費用を聞くとき、押さえておくポイントは?」

予算や機会がなければ、なかなか付き合うことのないデザイン業界。

いざ見積もりを依頼しようと思っても、どう接していいのか、何を聞いたらいいのか、的外れな質問をしてしまわないか、などなど不安をお持ちではないでしょうか。

そんな方のために、紙媒体の広報物を見積もり依頼する際のポイントをまとめました。ちょっとアレンジすればすぐに使えるメールテンプレートも作成しています。

ざっくりした依頼には、ざっくりとした見積もりしか返ってきません。まずは、精度の高い見積もりをしてもらうための項目についてご説明していきます。

見積もり依頼時に聞いておきたい8項目(紙媒体編)

①目的/概要
②サイズ/種類/ページ数/加工の有無/色数
③参考イメージ/ラフの有無
④制作者に支給する素材データ(イラスト、画像、テキスト)の有無
⑤制作スケジュール
⑥予算
⑦納品形態(入稿データor印刷物)
⑧二次利用の有無

 

①目的/概要

今回つくりたい広報物の目的や概要を1〜2行程度書いておくと、イメージが湧きやすくなります。
例:会員募集を目的にした広報物、スタッフが誰でも説明できる団体紹介用ツール

 

②サイズ/種類/ページ数/加工の有無/色数

全部ひっくるめて、いわゆる「仕様」と呼ばれるものです。

仕上がりサイズはどのくらいか、チラシ・ポスター・冊子といった広報物の種類、冊子物であればページ数、折ったりミシン目を入れるなどの加工があるかどうか、カラーかモノクロか。

まだ決まっていないのであれば、例えば「16ページにするか、20ページにするか迷っています」と現状を伝えた上で「16ページと20ページ、それぞれのページ数でお見積もりをお願いします」と伝えてしまって構いません。

 

③参考イメージ/ラフの有無

もし参考になるような事例があれば、ぜひ伝えてください。
依頼側が(つまり、あなたが)ラフを用意するかしないかで値段が変わることもあります。そのため、ラフの有無を伝えることは、より正確な見積もり作成につながります。すでに団体内で作成した広報物をリニューアルするのであれば、既存の広報物をお送りするのをお忘れなく。
「ラフ」というのは、レイアウトが分かるような構成案のことを指します。手書きでも、Wordで簡単につくっても大丈夫です。

手書きラフの参考例
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④制作者に支給する素材データ(イラスト、画像、テキスト)の有無

素材をどの程度支給可能かどうか伝えることも重要です。

新規イラストの制作が必要であれば、イラストレーターの手配が、新規撮影が必要であれば、カメラマンを手配することになります。
新規テキスト作成も依頼するのであれば、ライターの出番となりますし、リライト(既にある文章を書き直すこと)や校正(誤字脱字のチェックなど)をお願いするかどうかも見積もり額に影響してきます。

 

⑤制作スケジュール

超急ぎの短納期なのか、ある程度余裕があるかによっても費用が変わる場合があります。デザイン業界は、年末や年度末が繁忙期です。タイミングによっては業務量オーバーのため、そもそも仕事を受けられない可能性もあります。

 

⑥予算

もし予算が決まっているのであれば、お伝えしておくといいでしょう。
仮に予算オーバーのお見積もりになることがあっても、場合によっては、予算内でどこまでできるのか、という前向きなやりとりに発展するかもしれません。

 

⑦納品形態(入稿データor印刷物)

印刷会社への発注や入稿(印刷用のデータを印刷会社へ送ること)をどちらがするのか、つまりは印刷業務も含めるかどうかによっても、費用が変わってきます。

デザイン会社に印刷業務をお願いする場合、最適な紙種や印刷方式を選択してもらえますが、その分、マージンが発生する場合があります。入稿データだけ納品してもらって、印刷通販で自分たちで発注する方が安く済みますが、発注ミスがあった場合は自分たちの責任になります。

参考記事:印刷通販サイト2強の使い分け、教えます。

 

⑧二次利用の有無

デザインデータを二次的に使う予定があるかどうか、もし決まっていたら事前に伝えておくと後々のトラブルを未然に防ぐことができます。例えば、チラシをデザインしてもらったとして、そのチラシの素材を使ってホームページのバナーをつくる、といった具合です。
デザイン会社によっては別途費用がかかる場合があります。

 

 見積もり依頼メールテンプレート(紙媒体編)

コピペしてちょっとアレンジすれば、すぐに使えるテンプレートを作成しました。()内や項目内容はアレンジしてください。

◯◯◯◯御中

お世話になります。
はじめまして、NPO法人◯◯の◯◯と申します。

この度当団体の◯◯◯◯を制作する運びとなりました。
(御社のWebサイトにて制作実績を拝見させていただきまして、
とても素敵な作品ばかりで、もし可能であればご依頼をさせていただきたいと思い)
まずはお見積もりをお願いしたいと思いメールさせていただきました。

・目的/概要
今年度は会員募集に力を入れていくという背景がありまして、
会員獲得を目的にしたリーフレットとなります。

・サイズ/種類/ページ数/加工の有無/色数
A4判/両面もののリーフレット/1枚もの/三つ折り/両面カラー

・参考イメージ/ラフについて
添付にあるようなNPO法人●●●や×××株式会社のパンフレットのような信頼感のあるデザインをイメージしています。
また、こちらで制作したラフを添付にてお送りします。
(添付のラフはあくまで素人がつくったイメージですので、レイアウトや表紙デザインはラフに囚われずに制作していただきたいです。)

・ご支給する素材データ(イラスト、画像、テキスト)について
イラストの使用予定はありません。
画像と、校正済みテキストは全てこちらからお送りします。

・制作スケジュール
9月末までに印刷物が仕上がることを目標にしています。
以下のようなスケジュールを想定していますがいかがでしょうか。

4月 打ち合わせ
5月 表紙デザイン制作
6月以降 文字・写真のご送付→中面制作
8月上旬校了、その後印刷

・予算
印刷費を除いて税込◯万円が予算となります。

・納品形態(入稿データor印刷物)
入稿データを納品願います。
印刷会社への発注・入稿はこちらで行います。

・二次利用について
二次利用の予定はありませんが、もし発生する場合は目安を教えていただけますと幸いです。

(以上、お忙しいところ恐縮ですが、お見積もりくださいますようお願いします。
ご不明な点があればお気軽にご質問ください。)

 

いかがでしょうか。
デザイン料の相場というものは、あるようでなかったりするものです。
実際いくらかかるかは、見積もりをしてみないと分かりません。見積もり作成は無料ですので、相見積もりをとって比較検討されることをお勧めします。

こちらの記事もおすすめです。
NPO向けの実績があるデザイン会社・デザイナー、団体、デザイン支援サービスまとめ 2015年版

デザイナーへ依頼する際に準備しておきたい5項目

 

Webの見積もり依頼に関してはこちらの記事が参考になります。

制作会社への見積もり依頼で伝えておくとよいことはありますか – ちゃんとWeb.biz

制作会社にWeb制作を依頼前にやるべきこと・準備するべきものは? – ちゃんとWeb.biz

NPOのWebサイト制作。外注かプロボノかどちらがよいか?それぞれの特徴まとめ – ちゃんとWeb.biz

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プロフィール

はやしだ まさひろ
林田 全弘

2006年からNPOの広報物デザインを開始。
これまでNPOや中間支援組織のパンフレットやロゴ、チラシなど、120団体350件以上の広報物を手がけてきました。

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