8 May 2017

「予算がないのでフリー素材を活用したい」
「フリーのフォントがたくさんありすぎて、どれを選んだらいいかわからない」
そんなNPO広報担当者の方のために、300近い日本語フリーフォントのなかからNPOの広報活動に活かせそうなものを厳選しました。なお、今回ご紹介するフリーフォントはすべて日本語で、漢字も使用できます。
また、フォントは大きく分けて「タイトル・見出しに向いているもの」ものと、「本文用に向いているもの」2種類あります。使用する際の目安として「向いている度」をつけていますのでご参考にしてください。
*ご注意*
①利用規約について
お使いの際には「利用規約をきちんと読むこと」をお忘れなく。作者さんが希望される利用範囲内で使用するようにしましょう。
②フォントのダウンロードリンクについて
フォントをダウンロードする際は、本当にそのリンク先がフォントをダウンロードするものかどうか、よく確認してからお願いします。ダウンロードを促す「スポンサードリンク」や「Sponsored Links」と書かれた画像バナーはフォントとは無関係な広告で、怪しいアプリのインストールを促す場合もありますのでお気をつけください。
それでは、NPOの広報活動に活かせそうな日本語フリーフォントを16種、ご紹介していきます。
信頼感や誠実さを表現したい時は、このフォント
IPAex明朝
おおらかさと凛とした品格を兼ね揃えた明朝体です。優しい気持ちを込めつつ文面をきりっと引き締めたいときに使いたいですね。独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) によって配布されています。
https://ipafont.ipa.go.jp/node26#jp
タイトル・見出しに向いている度:★
本文用に向いている度:★★★
WindowsとMacに標準で入っている書体との違いは以下のとおりです。
IPAexゴシック
IPAex明朝体の品格が保たれたゴシック体です。MSゴシックに比べてクセが抑えられており、伝えたいメッセージに色をつけず、すっと届けたいときに使いたいフォントです。
https://ipafont.ipa.go.jp/node26#jp
タイトル・見出しに向いている度:★
本文用に向いている度:★★★
WindowsとMacに標準で入っている書体との違いは以下のとおりです。
出島フォント
ちょっとレトロな雰囲気も感じさせる明朝体。情熱あふれる想いを込めながら、淡々と文章を伝えたいときに使いたいフォントです。
http://www.sodan.org/~penny/blosxom.cgi/2007/06/04
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★
ほのか明朝
柔らかさや儚さを感じさせる優しい明朝体。切実な想いを伝えるときや、センシティブなテーマを扱う際、独特の世界観を出したいときに使いたいフォントです。自動的に漢字が大きく、かなが小さく表示されるので、見出し用に使いやすいですね。
http://font.gloomy.jp/honoka-mincho-dl.html
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★
親近感を表現したい時は、このフォント
源暎ラテゴ
文字の線に抑揚があるカジュアルな書体。トークイベントや交流会など、気軽な印象を与えたいときに使いたいです。
https://okoneya.jp/font/genei-latin.html
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★★
源暎ラテミン
「源暎ラテゴ」の漢字を、かな部分に合うように調整された書体です。「源暎ラテゴ」とは漢字部分が違います。タイトルや見出しに使うとき、漢字とかなの統一感を考えると、こちらの源暎ラテミンを使うことをお勧めします。
https://okoneya.jp/font/genei-latin.html
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★★
源柔ゴシック
人懐っこい丸ゴシック体。伝える情報のハードルを下げたいとき、初心者向けの取り組みを伝えたいときに使いたいフォントです。7種類もウェイト(文字の太さ)があるので、見出しにも本文にも使えます。
http://jikasei.me/font/genjyuu//
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★★★
やさしさゴシック
適度な抜け感のある、ふわっとした軽さが特徴のゴシック体。ゆっくり優しくメッセージを伝えたいときに使いたい書体です。
http://www.fontna.com/blog/379/
タイトル・見出しに向いている度:★
本文用に向いている度:★★★
レトロ感を表現したい時は、このフォント
刻明朝フォント
独特の世界観を持った明朝体。歴史や文学など、知的好奇心をくすぐる講座や街歩きイベントなどで使いたい書体ですね。
http://freefonts.jp/font-koku-min.html
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★★
刻ゴシックフォント
刻明朝フォントのゴシック版。刻明朝フォントよりもモダンな印象なので、歴史や文学などをテーマにした初心者向けの催しなどにぴったりです。
http://freefonts.jp/font-koku-go.html
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★★
ほのか丸ゴシック
「ほのか明朝」と同様に、柔らかさや儚さを感じさせる優しいゴシック体。親しみがありながら、どこか懐かしい雰囲気を出したいときに使いたいフォントです。自動的に漢字が大きく、かなが小さく表示されるので、見出し用に使いやすいですね。
http://font.gloomy.jp/honoka-maru-gothic-dl.html
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★
ここから下は、手書き風フォントのご紹介です。
子どもっぽさを表現したい時は、このフォント
じゆうちょうフォント
太めのサインペンで書いたようなインパクトある手書き風フォントです。子ども向けのイベントタイトルやサインなどで使いたいですね。
https://marusexijaxs.web.fc2.com/tegakifont.html#tegakifont3
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★
こども丸ゴシック
手書きのようなにじみが特徴のフォントです。タイトルにも使えますし、短い文章であればリード文などに使えそうです。ただし、現在は小学1〜3年生で習う漢字が収録されているとのことで、低学年向けの広報物に向いていますね。上のサンプル画像では「民」「貢献」の文字が表示されませんでした。
https://typingart.net/?p=40
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★
かわいらしさを表現したい時は、このフォント
kawaii手書き文字
フォント名どおり、カワイイ手書き文字のフォントです。手書き特有のクセがありながら、文字の形が整っているので、くだけ過ぎず品のある表現ができます。
https://font.spicy-sweet.com/
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★★
あんずもじ
「kawaii手書き文字」よりも崩し気味で、より手作り感を表現できる手書き風フォントです。
http://www8.plala.or.jp/p_dolce/
タイトル・見出しに向いている度:★★★
本文用に向いている度:★★
上品さを表現したい時は、このフォント
春夏秋冬
「細目の水性ボールペンで書いた字をイメージし、一画一画丁寧に書いた手書き風の楷書フォント」とのことです。大事なメッセージを伝えたいとき、知的な印象を与えたいときに使いたいフォントです。
https://web.archive.org/web/20190311025159/http://www.geocities.jp/s318shunkasyuto/down/download.html
タイトル・見出しに向いている度:★★
本文用に向いている度:★★★
今回ご紹介するフリーフォントは以上です。他にもたくさんのフリーフォントが世の中には公開されています。自分でイチから探すのは大変ですので、フリーフォントを探したり、フォントを使うときに便利なサイトをご紹介します。
フリーフォントを探したり、フォントを使うときに便利なサイト
まずはこちらの記事でいいな、と思えるフォントを探してみてください。
2016年用、日本語のフリーフォント219種類のまとめ – coliss
もっと探したい!という時にはこちらのまとめサイトをご覧ください。
無料で使える!日本語フリーフォント投稿サイト – FONT FREE
おまけになりますが「この文字をどのフォントにしようか?」を考える時に、このサイトが便利です。
wordmark.it
ご自身のパソコンにインストールされているフォントを一覧で見ることができます。
フォントのインストール方法はこちら
ダウンロードしたファイルをどうするの?という方は、以下のページを参考にしてください。
フォントのインストール(Windows 10/8/7/Vista) – Adobe Community Help
フォントのインストール(Mac OS X) – Adobe Community Help
最後になりましたが、チラシやパンフレットなどで使用した際は、その報告とお礼を簡単でもいいので作者さんにお伝えすることをお勧めします。無料の裏にある善意に対して感謝の気持ちを送ることは、きっと巡り巡って自分にも返ってくるはず。
書体選びについてしっかり学びたい方はこちらの本がおすすめです。
もじ部 書体デザイナーに聞く デザインの背景・フォント選びと使い方のコツ
こちらの記事も合わせて、どうぞ。
作者がはっきりしている無料イラスト素材配布サイトまとめ
(修正しました)
「IPAex明朝」と「IPAexゴシック」のご紹介部分で「WindowsとMacに標準で入っている書体との違い」として「小塚明朝」と「小塚ゴシック」を掲載しておりましたが、こちらは標準書体ではありませんでした。それぞれ「ヒラギノ明朝」「ヒラギノ角ゴ」に修正しました。「游明朝体」と「游ゴシック体」のサンプルも追加しています。O様ご指摘いただきありがとうございます!(2017.5.8)
「あんずもじ」フォントのURLを修正しました。(2017.5.10)
誤 https://www8.plala.or.jp/p_dolce/font2.html
正 https://www8.plala.or.jp/p_dolce/
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
フォントのご案内ありがとうございます。
フォントの印象って、言葉で説明できそうでなかなか説明できないので林田さんの説明がとても参考になります。
私自身の経験なのですが、「うつくし明朝」で作成した冊子が高齢者の方に「読みにくい」という理由で不評でした。
文字の印象はきれいで個人的には気に入っていたのですが、高齢者の方には優しくないフォント選びをしてしまってたようです。。
由田さん、コメントありがとうございます!
確かに「うつくし明朝」はレトロな雰囲気たっぷりであるものの、クセのある書体なので、長文の本文で使うと年代によっては読みづらそうですね。見出しだけに使うか、絵本や詩集など短文で独特の世界観をつくりたいときに向いていると思います。