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NPOロゴをつくるときに準備・整理・明文化しておきたい12のポイント

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魅力が伝わるロゴをつくるためには、準備がとても大切です。
デザイナーの力量が仕上がりに左右されるのはもちろんのことですが、準備次第でその仕上がりを底上げすることができます。2016年1月のセミナーでお伝えしきれなかった、ロゴをつくる際に準備したほうがいい12個のポイントについてご説明します。ここでまとめた情報をそのままデザイナーに伝えるだけでも、十分な資料と言えるでしょう。

①ネーミング(正式名称・ロゴ表記名称)

まずは、団体(あるいは活動)の正式名称を明文化しておきましょう。その上で、ロゴに表記したい名称を決めていきます。
ロゴに表記する名称を決める際に考えておきたいポイントは以下の3つです。

・法人格を入れるか、入れないか
・正式名称そのまま入れるか、略したものを入れるか
・欧文の場合は大文字と小文字をどうするか

ロゴストックのNPO特集をざっと見てみると、法人格を入れていない団体が多いようです。

 

②使命

あなたの団体(あるいは活動)が存在する理由は、文章になっていますか?
もし、文章にしていない場合は、以下の3つをセットにして300文字程度の文章にしてみましょう。

②-1.バックグラウンド

団体を設立、あるいは活動を始めようと思った背景について。

②-2.チャレンジ

これから挑戦したいこと、解決したいことについて。

②-3.ビジョン

そのチャレンジがうまくいった時の展望について。

 

③理念

活動をする上で大切にしたい考えや、根底となる考え方は何でしょうか?
使命や理念を明文化しておけば、なんらかの形でロゴにその想いを込めることができます。

 

④団体概要・活動内容

その団体(あるいは活動)は、具体的に何をやっていますか?
各活動の名称と、その説明をそれぞれ100文字程度にまとめてみましょう。

 

⑤ユニークポイント

あなたの団体(あるいは活動)と同じようなことをしている他の団体はありますか?
競合や似ている団体の名称と、そことは違うポイントをまとめていきましょう。

 

⑥利用用途と主要媒体

ロゴをどんな媒体に使用する予定ですか?
必ず使用するもの、使用する予定のあるものを挙げていきましょう。また、使用用途を挙げたもののうち、使用頻度が高く特に力を入れていきたいものを3つ挙げるとしたら何でしょうか?

⑥-1.紙媒体

名刺、パンフレット、チラシ、ポスター、封筒、ダイレクトメール、お礼状、季節の挨拶用ハガキ、見積書、請求書、納品書など

⑥-2.Web

ホームページ、ブログ、Facebook、twitterなど

⑥-3.その他

パワーポイントテンプレート、ハンコ、ステッカー、缶バッジ、Tシャツ、梱包資材、看板、垂れ幕など

このポイントのねらいは、ロゴがどんなシチュエーションで使用されるかを把握するためです。色やサイズに制限が必要になるかもしれませんし、逆にその制限が創造性を発揮することにつながるかもしれません。

 

⑦主な対象層

どんな方の行動を変えるために、⑥で選んだ3つの主要ツールを活用していきたいですか?
その人たちは何に関心を持っていて、本当に求めているものはなんでしょうか?

 

⑧与えたい印象

主な対象層が今回つくるデザインを見た時に、どんなふうに思ってほしいですか?
あるいは、あなたの団体から連想してほしい言葉は何でしょうか。もし考えるのが難しければ、以下の中から3つ選んで、特に印象づけたいものから順に並べてみましょう。このリスト以外のキーワードでも、もちろん大丈夫です。

おしゃれ、プロフェッショナル、はっきりした、ユニーク、華やか、楽しい、活動的、気軽な、協調性に富んだ、多様性のある、クリエイティブ、新鮮な、スピード感ある、明るい、猛進的、先進的、親しみのある、ナチュラル、かわいい、女性的、男性的、情熱的、洗練された、ゆったりとした、落ち着いた、素朴、癒される、子どもらしい、温かみのある、懐かしい、伝統的、円熟した、経験豊富な、高級感のある、権威らしさ、信頼感のある

 

⑨希望納期

いつまでにロゴが欲しい!という締め切りはありますか?
新しいロゴをお披露目する日程、ホームページやパンフレットなど他の媒体を制作するスケジュールなどを踏まえた希望スケジュールがあれば明確にしておきましょう。

 

⑩予算

ロゴづくりにかけることができる予算はどのくらいでしょうか?
クラウドソーシングのコンペであれば、2〜5万円が相場です。こちらの記事でご紹介したブログによると、Web上で料金表を公開している制作会社におけるロゴ制作の相場は、ロゴタイプ(文字部分)で3万円程度、シンボルマークで5万円程度のようです。両方一括で依頼する場合には予算を10万円くらいに設定するといいようです。

ただし、制作者の経験や実績、クオリティによって金額が変わってきますので「このぐらいが適正価格」と言い切ることができません。上記の価格はあくまで参考として捉えていただいて、実際に見積もりをとることをお勧めします。

 

⑪参考ロゴ

デザインテイストの参考になりそうな他団体・他社ロゴはどんなものがありますか?
テキスト情報だけでは、個人によって抱くイメージが異なるため、「テキスト」と「ビジュアル」両方のイメージを擦り合わせる必要があります。

例えば「優しいイメージ」と聞いてどんなデザインを思い浮かべますか?
「優しいイメージ」という言葉だけ伝えても、人によって抱くイメージは様々です。そのため、認識のギャップが生まれてしまって、こんなはずじゃなかった、という悲劇が起きかねません。

他団体・他社ロゴを調べるときに役立つのが、ロゴデザイン・制作に役立つ、かっこいいロゴマークを集めたロゴポータルサイト「ロゴストック」です。色やキーワード、業種などから検索することができる便利なサイトです。

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⑫その他、希望する色や、使いたいモチーフ

使いたいテーマカラーはありますか?「自分たちの団体のテーマカラーをどう決めていいかわからない」という方には、こちらの記事を参考にテーマカラーを考えてみてはいかがでしょう。

自分たちの色をどう決める?NPOのテーマカラー決めるための7つのポイント
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また、ロゴに使いたいモチーフはありますか?特になければ、無理に考える必要はありません。どうしてもこれは入れたい!というものがあれば、忘れないでおきましょう。

 

いかがでしょうか。ここで挙げたポイント以外に、NPOロゴをつくるときに準備しておいた方がいいものがあれば、ぜひ教えてください。

これからNPOを立ち上げる予定の方や、そろそろロゴリニューアルしようかな、とモヤモヤしている方にはこちらの記事がおすすめです。
【開催報告】NPOのためのデザイン×CANPAN Vol.01~魅力が伝わるNPOのロゴづくり~(日本財団CANPAN・NPOフォーラム)2016年1月7日(木)13:30~15:30
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プロフィール

はやしだ まさひろ
林田 全弘

2006年からNPOの広報物デザインを開始。
これまでNPOや中間支援組織のパンフレットやロゴ、チラシなど、120団体350件以上の広報物を手がけてきました。

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